1年前に、大切な友人を亡くしました。
人の心にペッタリと貼り付いているかように、近い存在に感じさせながらも、おおらかで寛大な友人でした。
私の父は大きな事故を起こしたことはないのですが、自宅に車庫入れするのさえ、車をこすってしまうことがありました。
兄の運転はハラハラします。
家族の男性軍の上手くない運転を見てきた私は、夫や義父の運転する車に初めて乗った時、(運転上手な人達だなぁ)と、思いました。
そして、前述の私の友人は、これまでに乗せてもらった中でどの人よりも、(大きな声では言えませんが、夫よりも)ずっと運転上手でした。
それは大学卒業から間もない20代の頃から既にそうでした。
人の運転する車に乗せてもらうと、無意識に身体に力が入っていたりするものですが、彼女の助手席に座る時は、ゆったりとくつろいでいられるのが不思議でした。
今日、久しぶりの「バナナトースト」を食べました。先の運転上手な友人が亡くなる2日前に「ねえ、あなたの教えてくれたバナナのパン、レシピ教えて。」と、突然電話があり、驚いたものでした。
どう考えても、私より料理上手な彼女に、そんなトーストのレシピが必要なの?
ちょっとした違和感を覚えながら、電話でのやり取りを終えたのでした。
今、思い返すと、会話の内容なんて、何でもよかったのかもしれません。
先月の終わりに参加した法事で、彼女の地元の同級生達や、親戚の人達から聞いた話を総合すると、亡くなる3日前ぐらいから、いろいろな人達と普段以上に接触していたのではないかと思われました。
パンをトーストして、バターを塗り、バナナをのせてハチミツをたらす…だけの朝食です。
これまでは、バナナが残っていたりすると食べることもありましたが、彼女が亡くなって以降は食べていませんでした。
いい人は早く亡くなるのか…
亡くなるといい事だけしか思い出さないのか…
せっかくの美味しいバナナだったのに、涙がでそうになり、
バナナトーストはもう少し月日が過ぎてからにしよう……